ここ最近「個のチカラ」や「ドリブルで仕掛ける選手」というキーワードを聞く機会が多い。
簡単に言うと「ドリブラー待望論」である。
中田英寿が出てきたあたりから始まったパス偏重主義というか「ラストパス出す人が最高にかっこいい」という風潮の反動なのか、自分だけの力で状況を打開する人がかっこいいというムードが出てきている。
横パスとバックパスを繰り返して攻め倦んでいる姿を見ると「ええい、前へ行け前へ!」とイライラする気持ちは分かる。しかもそうやってチンタラとパス回ししている途中でカットされて速攻を食らったりするもんなぁ…。
日本代表チームにドリブラーが必要だということに異論はない。
山瀬功治や松井大輔のように前へ前へ行く選手は見ていて気持ちがいい。
しかしサッカーはチームプレイのスポーツだ。個人の力で打開できる局面なんて、たかが知れている。
チームあっての個人なわけで、いくら突出した能力があっても個人主義では勝てない。
ガンダム一機で戦争には勝てないんだよ、アムロくん。
まずチームのカラーがあって、そこに選手をフィットさせていく必要がある。
個のチカラは大事だが、個のチカラに頼ったチーム作りをしてはいけない。
オールスターチームでは通用しないことはドイツワールドカップで思い知ったはずだ。
選手の個人能力に頼ったチームは、その選手が怪我したらおしまいだ。
そんなものはチームとは呼ばない。
オシムに否定されたスターシステムを復活させようとするマスコミの陰謀なんじゃないのー?(笑)
分かりやすい中心選手がいたほうがライト層も見やすいし、視聴率も上がる。
だから、そういう選手を選べとプレッシャーをかけるために世論を喚起する。
でも、それじゃ同じことの繰り返しなんだよ。
代表チームの人気を上げるより、サッカーという競技自体の人気を上げたほうがマスコミとしてはオイシイはずなんだけどなぁ。
というわけで、最近の「個のチカラ」偏重報道は眉唾だなーと思っているのでした。